しかしこの競走は審議
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かなキー 1998/11/8

 このホームページを見に来て下さっている方のほとんどは、「ローマ字入力」だと思う。ある程度パソコンを使える人のほとんどがそうだし、インターネットをやってるということは、ある程度パソコンを使えるってことだからね。

 実はわたしはずっと、このホームページを「かなキー入力」で作っている。

 

 わたしが初めてOA機器に触れたのは大学生の時、ワープロを買ったのが始めだった。当時売れ筋だったワープロはシャープの「書院」、続いて東芝の「Rupo」だったが、わたしが買ったのはサンヨーの「SanWord」。ちっとも売れてない機種だったが使い勝手がよくて気に入っていた。「ペン書院」や「3行革命」のような高機能は無かったが、「罫線を引く」とか「1行増やす・減らす」といったワープロとしてのごく基本的なところの機能の操作性が格段に優れていたのだ。

 

 わたしのワープロは、大学ではレポート作成に、アルバイト先の学習塾ではプリント作成にとフル稼働。"キーボードをさわらない日はない"という状態で、十分に元を取ってくれたのだが、このときに「かなキー入力」が定着した。当時はワープロしか使わないから、別にアルファベットのキー配列を覚えなくても不便はなかったのだ。

 

 わたしの場合、どうもローマ字を使うと文章が考えにくい。慣れた人にとってはどうってこと無いのだろうが、頭の中でかなを1文字ずつローマ字に置き換えるルーチンが割り込むと、文章そのものを考えるルーチンが途切れてしまうのだ。外国語を勉強するときに、日本語に訳さずとも外国語のまま物事を考えられるようになれば本物だというが、これと同じで、パソコンのキーボードに慣れた人は、無意識のうちにローマ字のまま文章を考えられる能力が身についているのだと思う。

 

 ワープロやパソコンの初心者に教えるときに、よく言われるセリフ「ローマ字入力で覚えなさい」。以前なら正論だったんだろうが、今はもう一概には言えないんじゃないだろうか。職場にOA機器が普及しだして、これまでキーボードとは無縁だった人にもパソコンを使ってもらわないと困るようになってきたが、オジサン・オバサン達にパソコンを使ってもらうときに「ローマ字」ってのは意外と高いハードルになるらしい。こんな人には「かなキー」でもいいんと違うかなあ。そりゃ、Excelでマクロを組むとか、Accessでアプリケーションを作るってときに、キーボード上のアルファベットを探してるようじゃ困るが、オジサン・オバサンがマクロを組めるようになる必要はないやろ。

 

 わたしが初めてワープロを買って以来かれこれ約10年。今ではアルファベットでもキーボードを打てるようになったが、普段は相変わらず「かなキー」。周りにいる"コンピューターに強い人"からは「器用なことするんやの〜」とあきれらている。でも今となっては、この方が早いもんなあ。そりゃ、ブラインドタッチにはほど遠いし、ミスタイプに気づかないままホームページをアップして、後で恥ずかしい思いをすることもあるけどね。 


2拍3連符 1998/9/6

 音楽に興味のない方には、聞き慣れない単語でごめんなさい。

 2拍3連とは音楽用語で、4分音符2つ分の長さの音を3等分したリズムのこと。たいていの歌謡曲は4拍子で作曲されているので1小節を6等分した長さの音になる。「3分の2拍」という割り切れない長さの音符が、曲のリズムをより印象的にする効果がある。

「masquerade 燃えつきそう 火照る体から
 叫ぶ竜神よ あなたを抱きしめて」(masquerade:trf以下同じ)

「さよならは言えないの 明日を信じてるか
 一人で過ごす夜 どんなに逃げたくたって」(BRAND NEW TOMORROW)

特に、trfの曲で言うと

yeh yeh yeh yeh yeh survival dAnce survival dAnce trial dance」(survival dAnce)

なんて3拍4連(譜面上はたぶん付点8分音符だろうけど)まで出てくる。他にも、テキストでは表現できないけど「BOY MEETS GIRL」のイントロ部分も"3拍4連"と"2拍3連"の組み合わせで出来てる。「小室哲哉の曲なんて、どれも同じに聞こえる」という人も多いが、原因の1つだと思うぞ。

 

 2拍3連はその性格上、演歌にはほとんど登場しないが、こんな例がある。

「さくらさくら花吹雪 燃えて燃やした肌よりい花 浴びて私は夜桜お七」(夜桜お七:坂本冬美)

2拍3連の1つ目が休符。演歌にしては大胆なリズム。このままでは演歌にならないのだが

「さくら さくら 弥生の空に・・」

サビの部分の三三七拍子で演歌の世界に戻っているのがおもしろい。

 

 2拍3連と似たリズムに「付点8分・付点8分・8分音符」というのがある。ちょっと聴いただけでは違いが分かりにくいのだが、こちらは音符の長さが割り切れる分、聴き手が受けるイメージは変わってくる。

「いっしょに行こうよ こくわの実またとってね
 かなり たよれるナビになるよ」(晴れたらいいね:Dreams Come True)

いつの日もこの胸に ながれてるメロディー
軽やかにゆるやかに 心を伝うよ」(イノセント・ワールド:Mr.children)

上が2拍3連、下が付点8分・付点8分・8分音符。違いがお分かりいただけるだろうか。

 

 この2種類のリズムの違いをうまく使ったのが SPEED の「White Love」

もっとちゃんと いつも つかまえていて〜」

こちらは「付点8分・付点8分・8分音符」。2拍3連はサビの部分まで使わず辛抱しているのだ。そして

果てしない〜」

4分音符4つをキッカケにしてサビに入る。このキッカケの4分音符に、1コーラス目と2コーラス目とも同じ歌詞を当てはめたことで強いインパクトを与えるのだ。サビに入ってからは

「星の光のように 胸いっぱいの愛で 今あなたを包みたい
 天使がくれた出会いは あの空をつきぬけて
 永遠にかがやきつづける」

2拍3連はいいとこ取りで使うのだ。

 

 あまり安売りされちゃ困るけど、2拍3連は印象的なリズム。「ここ1番」に使ってもらうと心地よい。実は競輪でも「ここ1番」で2拍3連が出てくる。ほら、あの記念や特別の時だけに使われるファンファーレがそう。

 

"チャッチャチャーン チャチャチャチャチャチャ チャッチャチャーン"

 

2拍3連は、「とっておき」で使うとカッコいいのだ。

 


祭囃子が聞こえる 1998/8/9

 さくらももこの「ちびまる子ちゃん」の中に、町内会主催のクリスマス会に参加する話がある。「町内」という単位にかっこわるさを感じながらも義理で仕方なく参加するまるちゃん。でも岸和田では、その「町内」がこの季節もっとも活気づく。「だんじり」の季節だ。

 

 「だんじり」は300年来続く岸和田の祭り。重さ4トンほどの山車を数百人くらいの人が猛スピードで町中を曳き回すのだ。マスコミには「民家の屋根や電柱をなぎ倒すシーン」や「死人が出るのも珍しくない」あたりが大きく取り上げられ、そういうイメージが全国的に定着してしまったようだが、このだんじり祭りを運営しているのが「町内」なのだ。

 

 行政が音頭をとるわけでもなく、どこかの企業がスポンサーに付くわけでもない。住民が集まって、自分たちで段取りして自分たちで資金を集めて自分たちで盛り上がる。もともとお祭りってそれが本来の姿なんだと思う。そんな「だんじり」に、岸和田の人口の3倍くらいの観光客が来るんだから、テレビの影響ってすごいね。

 

 8月の声が聴かれる頃、夜の人通りもまばらになった岸和田の商店街を100人くらいの集団が走ってくる。20歳前後のゴッツイ兄ちゃん達が気勢を上げながらこちらに向かってくる様子は、一人歩きの女性が身の危険を感じそうだが、この季節の岸和田では普通の光景。だんじり祭りに向けてトレーニングの最中なのだ。今の時代に、これだけの若者が地域の行事に参加するってのは貴重なことなのかも知れない。

 

 今年のだんじりは、9月の6日()・13日()が試験曳き、14日(月)15日()が本祭りです。よろしければ1度お越し下さい。ただし、この日は岸和田競輪の開催は無いのでそのつもりで。


たなばた 1998/7/1

 天文学に興味を持ったのは、いつの頃からだったか。

 小学校3年生の冬休み。小学校に上がって以来、1円も使わずに貯めていた3年分のお年玉を持って天体望遠鏡を買った。当時のお金で3万円、わたしにとっては生まれて初めての大きな買い物。小学3年生ではまだ習ってない漢字がいっぱい書かれたカタログを、一生懸命読みながら、さんざん迷って決めたのを覚えている。

 

 もちろん上級機種が買えるわけもなく、せいぜい月のクレーターとか、太陽の黒点とかが見える程度。なにしろファインダーが頼りなくて、狙った星を視野の中にとらえるのにひと苦労するようなシロモノ。やっとの思いで土星にピントを合わせ、土星の輪らしきものが見えたときは嬉しかったなあ。

 

 学校では、地学ってなんか軽く扱われてなかったですか? 「白線流し」が放映された以後は地学部員も増えたらしいが、わたしの頃は地学部って一種のカルト集団みたいなイメージがあったもん。学年のはじめに教科書をもらうと理科の教科書に目を通し、地学の分野があると「今年の3学期には天体があるぞ」って4月のうちから楽しみにしてたのに、実際の授業は物理や化学に時間を費やしてしまって、地学は年度末にほんのちょっぴりでおしまい。定期テストのテスト範囲にも入らず、ちょっぴり悔しい思いをしたっけ。

 

 いつの頃からか、すっかり夜空が明るくなって星空が見えなくなってしまった。ウチの家のまわりでは天の川どころか北斗七星だって見えない。阪神間では六甲山や生駒山なんてところは有名な夜景スポットなのだが、きれいな夜景と引き替えに満天の星空を失ってしまったね。まあ、替わりに赤いラインに7つ星はしょっちゅう見てるんだが。

 

 小3で買った天体望遠鏡は、ハレー彗星を最後に実家の納戸で眠っていたのだが、最近になって近所に住む小学生にあげることになった。宇宙飛行士になってスペースシャトルに乗りたいんだってさ。星空が見えなくなった分、別の夢が出来て良かったのかな?