「25%」のゆくえ
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年7回 2001/3/31

 3月30日付けの新聞にこんな記事が出ている。競輪系の掲示板で話題になってたり、ご心配のメールまでいただいたりしてるんで、一言コメントしておこうと思う。

 元々、岸和田市以外の施行者が競輪から撤退するのは平成12年度限りという話を聞いていた。ところが平成13年度になっても"阪南三市"の開催が続いているんで、「まだ決まらへんのやなあ」と思っていた。決まらなかったのは、現在、岸和田市以外の施行者が持っている年5回分の開催をどうするかということだ。「そのぶん場外発売を増やせば従業員の給料は確保できるけど、日自振や選手会は許してくれへんよなあ」と思っていただけに、今回の記事は「ホッとした」というのが感想だ。

 もちろん、客の立場から言えば地元バンクの開催が減るのは残念だが、「年7回」なら赤字で廃止って事態は当面免れる。西宮・甲子園廃止とか暗い話ばかりだが、全部実現してしまえば、日程の大半が"近畿地区内の単独開催"になる。最悪の事態を回避するための1つの方策なんとちがうかな。

 

 その後、結局こういうことらしい。


小松島ふるダビ雑感 2001/2/28

 2マンシューで終わった小松島ふるダビの決勝戦。だが、表彰式はみんなが嬉しそうだった。勝った小倉竜二はもちろん、大半がヤラレたであろうお客も地元選手の優勝を喜んでいる。でも、一番嬉しそうなのは小松島市長だった。たいていどこの競輪場でも、閉会式の施行者挨拶なんぞ競輪場の職員が原稿を用意したような通り一遍の中身なんだけど、ここの市長はホントに実感こもった挨拶やったもんな。売上も良かったし地元のエースが勝ってくれたし、そりゃ万々歳やろ。

 小松島の市長って、本人も競輪好きだとか。競輪界全体が冬の時代、施行者のトップが競輪に理解があるかどうかってのはすごく大きい。売上の少ないので有名(?)な小松島だが、去年度は単年度で黒字だそうな。今回のふるダビの売上なら累積赤字を解消しておつりがあるだろう。ここをホームにするS級上位選手も多い。何かとすぐ「リストラ候補」の筆頭にあげられる小松島だけど、生き残って欲しいと思うし、また生き残れる競輪場だと思う。

 さて、小松島が終わると西宮。ここは「余命あと1年」が決定的な情勢。経営努力をしてなかったワケではない。車番導入も早かったし、FM放送を使った若年層ファンの拡大、無料のCSチャンネルでのレース中継など、打てる手は打ってきたと思う。あれでダメなら競輪界そのものに問題があるのだ。そりゃ、自分では「せめて西宮か甲子園のどちらか片方でも」っと今でも思ってるのだけどね。


競輪客の想い 2000/5/14

 いつものように岸和田ヒラへ行ったら、何やら「競輪に関するアンケート」なるモノを配っている。

 住所、年齢に始まって「いつ頃競輪を覚えたか」「今日の資金はいくらか」「月にどれくらい競輪場に通うか」「ワイドや3連単についてどう思うか」「決勝戦は何曜日が望ましいか」など何ページにも渡るような数の質問項目。それに完全記入した客だけに景品を渡す念の入れよう。

 

「いつ頃から競輪やってるかなんか、もう忘れたのう」
「おいちゃん、そんなけ長いことヤラレとるんやで」
「せやけど、ホンマ若い客が少ないのう。ニイちゃんらまだ若いけど、まわり年寄りばっかりやからのう」
「そやなあ、特別とかやったら若いやつもいてるけど、A級ではおらへんもんねえ」
「選手だけやのうて、客も若いやつを養成せんとあかんで。まあ、今どきは、ちょっと難しいモンはすぐ嫌がるからのう」
「なんとかせんと、全然売り上げ無いもんなあ。見てみい昨日の福井、1億売れてへんがな。この前の奈良も決勝の日で1億2千万ほどや。これ、完全に赤字やろ」

「ところでニイちゃん、このワイドてなんや?」
「ああ、これ1着3着とか2着3着でも当たりってヤツですワ。最近、競馬がこれ始めたんですワ」
「なんや、ニイちゃんは競馬もやっとるんかいな」
「こんなトコまで来て、わざわざテレビで競馬見て、ウマと自転車とで同時にヌケるんですワ」
「わははは」

 

 長い質問項目。選択式だけでなく、記述項目まである。が、意外とみんな文句も言わずにアンケートに記入している。ここにいるのはヒラ開催の1Rから競輪場にいる客。みんな、それぞれ思っていることがあるんやな。

 

 このアンケートがどう使われるのかは知らない。が、施行者サイドの方々には、決して景品だけが目当てで書いたアンケートじゃないということを解って欲しいと思う。現にわたしは、景品の「図書カード」が何者なのかを、何度もオジさんたちに説明するハメになったのだから。

 

 アンケートの胴元は「余暇開発センター」となっていた。これって、岸和田だけでなく全国の競輪場でやってるんやろか?


競輪改革プログラム異聞 1999/11/6

おことわり
今回の話のタネは伝聞によるものです。わたしは、この話のウラを取れるような立場にありません。

 

 競輪場の穴場の中に「有給休暇の保証を!」とかの、穴場のオバちゃん達の組合のスローガンが張ってあるのにお気づきだろうか。その中に「公営競技経営を圧迫する交付金制度を見直せ」ってのがある。経営が苦しいからオバちゃん達の労働条件にもシワ寄せがいくってワケやね。

 車券のテラ銭25%のうち、施行者は日自振と公営企業金融公庫に合わせて4.7%を収めることになっている。が、このページをのぞきに来てくれている方ならご存じの通り、どこの競輪場も今は経営難。この4.7%は非常に重い負担。

 で、たまりかねた施行者側、特に市町村が施行者になってる競輪場の市長が集まって、交付金の割合を減らすよう、通産省車両課と日自振相手に"団体交渉"となったらしい。ちなみにこの交付金の割合ってのは昭和37年から変わっていない。

 特別競輪の開催権をチラつかせる通産省に対し、施行者側は「50場全部で記念をやったっていい」と結束したのだが、通産省いわく

 「ギャンブルは基本的に社会悪。交付金はその贖罪(免罪符って言いたかった?)だから、減額は認められない」

 

 今回のこの話を通産省に持っていった、施行者側の中心になったのが岸和田前橋熊本。で、ご存じの通り前橋は再来年の親王牌を取り上げられ、岸和田と熊本には当分、特別競輪が来ないはずである。仮にも選挙で選ばれた地方自治体の長が束でかかっても、中央官庁の1人の課長に勝てないのが日本の現実なのだ。