競輪リストラ 〜岸和田の場合〜 2001/12/10
現時点で、どこまでが「案」でどこまでが「決定事項」なのかは知らないのですが、市議会で公表されている事項なので、ほぼ「これで行く」ものと考えていいらしい。
日本一ガラの悪いお客の相手をしてる穴場のおばちゃん達が気の毒だが、結局、阪南3市の撤退や西宮・甲子園の廃止を最大限利用して、労働組合に呑ませちゃったらしいな。
危ない競輪場 2001/11/18
今月は18日告示、25日投票で岸和田市長選挙が行われる。今回は民主・公明が「見」に回って、事実上、自民と共産の一騎討ち。今の岸和田市長が「交付金減らせ運動」の前をまわっていることは濃い競輪客ならご存じのことと思うが、対抗する新人候補が公約として掲げたのが競輪事業の廃止である。
西宮・甲子園や門司の廃止が決まって、「次はどこが危ない」ってな話をしてるヒトを一部のネット上で見かけるが、そんな話は全くの無意味。施行者のトップが競輪に理解があるかどうかの方がよっぽど大きいのだ。日本一(?)売上の少ない小松島でも「市長が競輪好き」ってな所は"安泰"だし、逆に立川や平塚でも、次の選挙で競輪廃止を掲げる首長が当選してしまえば簡単にひっくり返ってしまう。その昔、現に「ドル箱」だった後楽園が廃止された経験を、競輪関係者もマスコミも、そしてお客も忘れてるんじゃないだろうか。
競輪に限らず公営競技全体が落ち込んできて、あちこちで「改革論」を唱えるヒトがいる。いわく「従業員が多すぎる」「給料が高い」「後楽園を復活して小松島や防府はここでやれ」・・・。だが施行者の立場からすると、競輪が地元に貢献できないと意味がないのだ。たとえ収益が出なくても地域の雇用確保につながるならまだしも、リストラで雇用も守れないなら競輪などやる理由が無くなってしまう。
関係者が本当に競輪を続けたいのなら、競輪事業が地域にどれだけ還元しているかをいうことを住民に理解してもらうことが不可欠なのだ。雇用はもちろんだが、競輪場の施設を住民が利用できるようなカタチにするとか、お金がどのように使われているのかをもっと情報公開するとかの努力は絶対に必要だと思う。施行者のトップは地元の住民が選挙で決めるのだ。全国の競輪場はどこも例外なく地方選挙のたびに「存亡の危機」を迎えることを自覚しなければならない。
さて岸和田市長選なのだが、実はここでは共産が競輪存続派、自民が競輪廃止派という事情がある(念のために言っておくがタイプミスじゃないぞ)。今の小泉人気を考えると、この1週間は岸和田競輪最大の存亡の危機やな。
追記 2001/11/26
岸和田市長選は、共産推薦の現職が自民推薦の競輪廃止候補を破って再選。岸和田競輪の存続決定。これで今週の岸和田記念も来年の3連単+全日本選抜も笑って迎えられることになる。
「どういう展開で共産が来るんじゃ?」というのを万人にお判りいただけるように説明するのは難しいのだが、冒頭で書いた「公明が"見"に回った」というのがヒントになると思う。今の政治状況で、公明が自民候補の推薦を断るってどういう展開だか想像していただければ、ある程度ご理解いただけるんじゃないだろうか。
今回のピンチは凌いだが、もちろんこれで根本的な解決になったわけではない。これからたぶん全国各地で似たような状況が出てくると思う。岸和田だって4年以内に競輪事業を立て直さないと次の選挙でまた同じ危機が来るのだ。