本命が消えるとき 〜共同通信社杯2日目岸和田場外から〜 1998/01/27
7R S級二予B
枠車 名前 歳 期 脚 ギア 得点 事故 逃 捲 差 ク B
11堤 洋22徳島75 S1 逃 3.57 116.63 1.2 4 1 1 0 8
22金田健一郎31大阪60 S1 追 3.57 119.25 1.2 0 1 4 2 0
33松井 一良33青森61 S1 追 3.62 112.72 2.0 0 4 2 1 0
44清水 敏一26群馬67 S2 両 3.57 112.36 0.8 1 0 4 1 2
5安福 洋一39奈良41 S1 追 3.57 112.18 0.2 0 0 3 1 0
56井上 和樹36兵庫47 S3 追 3.57 103.83 2.2 0 0 3 5 1
7沓掛 和重26千葉69 S1 逃 3.85 108.55 1.2 2 2 1 0 7
68栗原 稔貴25栃木71 S2 追 3.57 109.67 0.0 0 0 2 1 0
9會田 正一27千葉68 S2 追 3.57 116.69 4.0 0 0 4 2 0
3
地乗り ←7948 1256 オッズ 金田→堤 4倍 金田→安福 4倍強
「よし、金田と心中や」
わたしが言ったのではない、他の客のセリフだ。岸和田場外に集まっている客はみんな彼に期待しているのだ。「穴狙いや」と口走るヤツも、結局2着流しを買ってたりする。締め切り間際、窓口で並んでいる他の客の買い目を覗いてみたが、みんな金田から買っている。それでもオッズが4倍を保っているのは、このレースが全国発売されていることを実感させる。このまま2−1で決まったら、岸和田市に払い戻しできるだけの現金は用意されているのだろうか。そんな雰囲気の中、7Rの場外車券発売は締め切られた。
号砲。
堤は後ろ攻め、金田と安福がその後ろに付けたが、前受けした井上が下がらせてもらえない。
「おいおい井上のボケ、下がらせてもらわれへんやんけ」
「まあ、ええわ。どうせ関係ない」
「余計なことだけは、せんとってくれよ」
赤板。沓掛がイン粘り、堤の後ろで金田と併走。
「あ〜あ〜、こいつやっぱりやると思たわ」
「かねだあ〜、張りとばせえ!」
目一杯流す堤。しかしこの直後、後続の選手が次々と切り替え。結局堤は最終バック8番手、当然金田は9番手。
茫然自失。 そんな4字熟語が全体を覆った。
堤を罵る声すら出ない。車番連勝の払い戻し62600円が発表されても場内はシーンとしている。そういえば、去年の岸和田記念で西郷剛が金田以下地元3人をラインにつけてイン粘りをやったときもこんな感じだった。あのえげつない怒号と罵声で有名な岸和田の客が言葉を失ったのだ。
12R 中野カップ 全員準決勝
枠車 名前 歳 期 脚 ギア 得点 事故 逃 捲 差 ク B
11遠澤 健二32神奈川57 S1 追 3.64 117.94 0.6 0 0 4 4 0
22後閑 信一27群馬 65 S1 両 3.57 120.78 6.0 1 3 6 0 2
33小嶋 敬二28石川 74 S1 逃 3.57 118.79 4.2 5 5 0 0 17
44鈴木 誠32千葉 55 S1 両 3.57 120.50 3.8 0 0 14 2 0
5稲村 成浩26群馬 69 S1 逃 3.57 119.71 0.2 2 7 1 0 5
56小川 巧31岡山 57 S1 追 3.57 117.74 0.4 0 0 6 2 0
7神山雄一郎29栃木 61 S1 逃 3.57 124.28 1.2 10 5 1 0 12
68東出 剛33千葉 54 S1 追 3.57 119.45 1.6 0 0 4 3 0
9西川 親幸32熊本 57 S1 追 3.57 113.89 2.6 0 0 4 1 0
地乗り ←784 521 396 オッズ 神山→東出 3.8倍前後
「これ、ホンマに神山でしゃあないと思うか?」
「神山カタイことあるかい! 昨日の小嶋の逃げ見てみい ありゃ神山でも捲れんど」
「昨日馬渕が何もようせんかったから神山も捲れたけど、小嶋の逃げはカカったら捲られへんて。こんなもん小嶋で勝負や」
小嶋ラインはスジでも逃げ目で40倍、差し目は50倍以上。しかし、あなたはご記憶だろうか。去年のダービー初日特選、小嶋が豪快な先行で岸和田バンク1周をきれ〜に1本棒。神山が7番手のままピクリとも動けなかったレースを。今ここにいるのは、あのレースを生で見た連中ばかりなのだ。
小嶋が先行、中団併走から神山が仕掛けるがなかなか車が前へ進まない。最終4コーナーで神山売り切れ。
「よっしゃあああっっ!」
あちこちから歓声があがる
「そのままあああっっ!」
ゴール線は、どうやら西川が小嶋を交わしている。いずれにせよ小嶋ラインでの決着。
「9−3か?」
「6番もけっこう伸びてるぞ」
「3番残ってるように見えたけどな」
「お知らせします。審議の対象は1着到達の9番選手です。決定はしばらくお待ち下さい」
「おいおい、審議9番かいな」
「ど〜せ関係ないやろ」
「いや、西川、神山とペダル当たってたかもわからんで。神山車両故障でも起こしとったらアウトやで」
「地元の九州の選手やし、重注で済ますんとちゃうか」
「審議の結果をお知らせします。9番選手は失格にはなりません」
「よっしゃあ」
「決定。1着9番。2着6番・・」
「え゛〜っ」
「小嶋残ってなかったんかいな」
小嶋ラインの裏表で勝負していた客は多かった。かく言うわたしも小嶋=西川の折り返しは「来れば10万円」ほど持っていた。が、ズブズブまで買っていた客はほとんどいなかった。
昨日、職場での会話
「ゆうべ、NHKの"面白学問人生"て番組でギャンブルの研究してたん見た?」
「えっ?そんなんやってたんですか?」
「見逃したあ」
「ビデオとってないんですか?(笑)」
「そこでな、競馬場へ行って
今日も懲りずに岸和田ヒラ開催へ参戦。1Rの
220円を当てたきりでヤラレ続け。1万円どころで済まない大沈みで最終レースを迎えた。10R A級準決勝
地乗り ←157 26 3948
車番の1番人気は3−9で6倍、2番人気が5−7で8倍。
あなたならどうします?舛井は捲り指向、松井は好位狙い。逃げるのは橋本で間違いないと考えたわたしの買い目は、
車番5−1 5−7 5−2 5−3。人気サイドで今日のリセット狙い。まさしく破滅型だ。最終ホームで
1橋本の先行、最終バック4番手を取った3舛井が捲る。4コーナー、舛井をブロックしながら5吉内が番手から抜け出してくる。
「よしうちぃ、元S級の脚をみせてみぃぃっ」
1着 3舛井 幹雄 2着 5吉内 秀徳 3着 1橋本 宣明
枠番 3−4 1060円