けいりんヤラレ日記
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裏開催  1998/3/21

 最終レースが終わった岸和田の特観席。しかし、ロビーにある2台のテレビには黒山の人だかりが出来ていた。200人くらいは居ただろうか。

 テレビはCSの西武園ダービー。ちょうど11Rのオッズが流れている。今日の京阪神地区は岸和田でヒラをやってるだけで、ダービーの場外発売がない。地上波のテレビ中継もない。CSを持ってる人以外、近畿でダービーを観戦できるのはここだけだったのだ。

西武園ダービー初日
11R S級特選
枠車 名前  歳   期   脚 ギア 得点 事故 逃 捲 差 ク B
11戸邉 英雄34茨城 51 S1 追 3.57 117.12 2.0 0 1 0 7 0
22小嶋 敬二28石川 74 S1 逃 3.57 118.81 5.6 4 8 0 0 18
33小橋 正義30岡山 59 S1 追 3.57 121.48 5.2 0 0 3 0 0
44本田 晴美34岡山 57 S1 両 3.57 115.46 2.0 0 5 1 3 0
 5遠澤 健二33神奈川57 S1 追 3.64 117.92 3.0 0 0 5 2 0
56松岡 彰洋27三重 69 S1 逃 3.57 114.53 2.0 3 3 0 0 9
 7神山雄一郎29栃木 61 S1 逃 3.57 122.23 3.2 7 7 3 0 11
68細川  洋30神奈川69 S1 追 3.57 117.84 5.8 0 0 1 2 0
 9金田健一郎31大阪 60 S1 追 3.57 118.23 3.0 0 0 4 3 0

地乗り ←438 269 715

「この特選て、3着までに入ったらナントカ賞てあるんやろ?」
「あるある、準決まで行けるやつな」
「神山逃げるんちゃうか? 3着までに残ったらええんやろ?」
「でも、それは小嶋かておんなじやで」
「小嶋のケツ松岡やろ? 小嶋逃げても本田−小橋あたりにイラわれたら、松岡どっか行っておらへんで」
「でも、そんな展開になってくれたら金健恵まれるんやけどな」

「しっかし、これで神山−戸邉の350円ちゅうのも寒いのう。小嶋もおるし500円くらいツクかと思ったけどなあ」
「そら戸邉じゃ差し目が売れへんもん。なまじ後閑とかやったら差し目が売れる分、神山−後閑がツイたりするけどな」
「ところで戸邉差したらなんぼついてんの?」
「戸邉−神山で2000円やな」
「2000円かあ、安いのう。差したことないのに」

そこへ、場内警備員のおっちゃんがやってくる。
「最終10Rの払い戻しまだの方おられませんか〜。まもなく払い戻し窓口を終了させていただきます〜」
「当たっとったら、こんなもん見てんとサッサと払い戻しに行くわい」
「当たってるもんには、親切で言うてくれとんやけどな」
「ハズレてるもんには嫌みにしか聞こえんのう」

 

西武園も号砲。

小嶋と神山の先行争いは神山に軍配。中団キープした小嶋だが、なかなか捲れない。
「あ〜あ、こらどうしようもない」
「やっぱり神山はエンジンが違うのう」

そしてゴール。
「あっ、戸邉差したか?」
「差してへんて7−1や」
「いや、差したんちゃうか?」
「差してへんやろ、戸邉が差せるわけないもん

ゴール前のスローVTR、微差だが戸邉が交わしている。
「戸邉差してるやん!」
「初めてちゃうか? 戸邉が神山差したん」
「(新聞を指さして)自分でも差したこと無いって言うてるやん」
「おっ、ほんで2010円ツイてるやん」
「そら戸邉やったら、みんな、差すわけないて思ってるもん」
「よかった〜、今日こっちで発売無くて。売られとったら間違いなくヤラレとるわ」
「わはははは」

 

わたしは電投でしこたまヤラレていた。

 


競輪の基本  1998/02/11

 近畿地区の競輪好きは、今年に入って和歌山記念→甲子園Sシ→社杯→びわこSシ→岸和田Sシ→奈良記念と打ってる方多いと思います。「S級はスジで来ねえから、打ち筋が荒れるなあ」などど、ほざいてる人いませんか? そういうわたしもS級にはヤラレ続け。「A級やったら当たるやろ」と甲子園に向かった。

 岸和田から甲子園まで、車で阪神高速の湾岸線を使えば30分くらいで着いてしまう。助松インターから鳴尾浜インターまで600円の通行料金で乗れる端から端まで使えるのでお得な気分(スミマセン阪神間以外の方には分かりにくい話で)。ちなみに鳴尾浜を降りて県道に出れば、途中「笠屋町」という交差点を左折すれば甲子園競輪場で直進すれば阪神競馬場。この道路の舗装費用にはずいぶん貢献したんやろうなあ >じぶん。
 さて競輪の基本とは、もちろんスジ車券。このところずっと、神山−東出でどうしようもないレースどうやったら市田が来るかなんてことを考えていたのだ。思考回路を標準の状態にリセットしておかなければ。今日は意識してスジばかり買った。

 

当たるじゃないか。

 

 B級特選で20代の若手自力選手が5人も乗ってるレースで、第2次世界大戦を知ってるジイさんが1着を取ってしまったが、それ以外は堅調相場。スジさえ買ってりゃ当たるって、いやあ競輪って簡単やなあ。

しかし、今日わたしが取ったレースの払戻金は

1R 870円
6R 900円
7R 480円
8R 720円
9R 430円

 

なんで10R中5R当ててマイナスやねん。

 

帰りは600円の高速代を惜しんで一般道で帰った。


競輪の基本「外伝」  1998/02/13

 わたしが競輪に手を染める前。

 当時まだJRAしか知らなかったわたしは、WINS難波へ足繁く通っていた。そんなわたしは、幸か不幸か大変な競馬好きの上司のもとへ配属となり、阪神競馬場へ何度も誘ってもらうことになった。

 実はこの上司、知り合いにJRAの馬主がおり、事前に頼んでおけば馬主席で観戦することが出来る。ゆったり座って観戦できるゴール前。締め切り1分前でも落ち着いて買える窓口。たいへん贅沢な環境で博打を打つことが出来た。

 その後に競輪を覚えたわたしだったが、人間は1度楽を覚えると元の苦労には戻れない。金網の前でウロウロしながら予想するなんて事はもう出来ない。競輪場へ行けば迷わず特観席へ入るようになってしまった。

 わたしが競輪を覚えた頃、岸和田や甲子園では、特観席では1000円単位でしか車券を売らないというアコギな商売がまかり通っていた。カラダは贅沢を覚えてもサイフはなかなかついていけない。買い目は絞らざるを得ない。いきおい、買い目はスジ車券が多かった。

 ところが競輪界に車番連勝式が導入。それにつれて、岸和田や甲子園の特観席でも100円単位で車券を売るようになった。金田の2着総流し200円ずつなんて車券が特観席でも買えるようになった。もう買い目は絞らなくてもいい。どんな大穴車券でも100円で夢を見られる。「いかに買い目を絞るか」という思考回路から「どうやったら穴になるか」という思考回路に変わってしまった。

 それからである。「当たってマイナス」なんて車券を買ってしまうようになったのは。分かっているのだ、競輪の基本はあくまでもスジ車券だということを。枠番で買い目を絞ればそうそう大負けすることはないはずだ。

 

しかし、「人間1度楽を覚えるともう元には戻れない」。

 

・・せめて「流し・ボックス」マークカードはもう使わない。