遅咲きのS1 1999/2/23
鈴木一央(福井63期)が頑張っている。
福井の先行選手といえばどうしても市田佳寿浩ばかりが注目を集めるが、実はB回数は鈴木の方が多いのだ(データは1月末現在で直近4ヶ月)。上位相手ではキツイが、Sシでは近畿地区の貴重な戦力。手薄な近畿先行陣にあって、何度近畿のマーク屋と近畿の競輪客を助けてくれたことか。
2月20日佐世保ふるさとダービー初日 電投85#
5R S級予選
地元・九州地区の森山から売れている。7−3で3.3倍、3−7が7.5倍。鈴木ラインは逃げ切り30倍、差し目40倍。だが、わたしの感覚では森山と鈴木ではそれほどの力の差はない。
「これだけツクんなら勝負や」
鈴木=片岡の折り返しに「来たら10万円」になるように計算して買った。
レースは打鐘、佐々木が先行体勢に入るところを森山が一気に叩く。7番手に置かれた鈴木。しかし、鈴木は最終2角から痛烈に捲っていく。森山の先行をきれいに捲りきった。予想通りだ。ただ、鈴木の後ろは
1着9鈴木一央 2着3佐古雅俊 3着4伊藤豊明
枠番6−3 7190円 車番9−3 6880円 ・・・金返せ
鈴木はこの4月からS級1班昇格。デビュー以来10年、30歳にして初めて掴んだ
がんばれ賀代茂雄 1998/12/27
あれは平成8年の和歌山ふるさとダービー。賀代茂雄(和歌山65期)は地元バンクのエースとしての出場だった。
ふだんはガラガラの和歌山競輪場も、このときは朝からスタンドが埋まっている。競輪界のスター選手達を後ろに従え、選手宣誓は彼が務めた。遠目に見ても緊張で顔が引きつっているのが分かる。しどろもどろの選手宣誓に思わず笑ってしまったのを覚えている。
平成9年夏、和歌山S級シリーズ。このとき、彼はS級2班で特選スタートではあったが、競走得点はすでに100点を切っていた。初日10R特選、番手は金田健一郎。当時の競走得点は119点台。賀代「地元だし主導権を取る」、金田「賀代の番手、仕事はする」のコメント。新聞は、金田に二重丸を打ちながらも「かばいすぎると危ない」の評価。はたして、レースは賀代が先行するも他のラインにきれいに捲られ、別線のドスジで3千円ちょいの配当が付いた。
その後も彼の成績は低迷、平成10年度中期からとうとうA級落ち。そのA級でも優出すらおぼつかない。このたび彼は福岡へ転籍、心機一転を図ることとなった。
12月27日和歌山普通開催初日 電投55#
8R A級選抜
福岡に転籍して、初めて帰ってきた和歌山バンク。だが、ここでも選抜スタート。ラインには近畿勢がついて、車券は賀代の番手・中島から売れたが賀代自身は人気薄。心機一転、賀代の奮起に期待して、わたしは枠番6−1 1−6 6−4を買った。
実は、後藤卓也から狙おうと思ったら、車番と枠番のオッズがたいして変わらなかっただけなのだが。
レースは、打鐘で賀代が先行するも、ホームで吉田に叩かれる。後退していく賀代。だが今日はひと味違った。最終バック、賀代は中団から再度捲り返しに行く。クソロイド曲線でカントも浅い和歌山バンク、捲りはアウトへ膨れていく。逃げた吉田の番手から菊池が飛び出す。賀代はさらに大外を踏む。
1着4菊池 稔 2着9賀代茂雄 3着3中島義之
枠番4−6 2100円 車番4−9 28840円 ・・ウラ喰った
賀代が捲りのきかないバンクを力で突っ込んだ。
彼は同期の吉岡稔真とは仲が良いらしい。おそらく小倉では一緒に練習しているんだろう。超一流の選手との練習でおおいに刺激を受けて欲しい。また、彼が復活することで今度は吉岡が刺激を受けるかもしれない。そうなればまた競輪がおもしろくなるのだが。
奈良はあまり行く気になれない。
まず、なんと言っても設備が悪い。近畿8場の中ではここが最悪。あまり他の地区の競輪場は知らないけど、ここよりひどいトコないんじゃないの?
"特観席が無い"というだけでも、特観派のわたしにはキツイが、スタンドは狭く、汚いし、雨風はそのまま吹きさらし。ホームスタンドの裏に体育館のような建物があって、ここには大画面のモニターがあるのだが、椅子がほとんどないので、客は立ったままか床にしゃがみ込むしかない。およそ快適に打てる場所が一つもないのだ。
今年最後の祝日。甲子園はSシだし、和歌山でもやってる。そもそも他県まで行かずとも、今日はすぐ近場で
「1億スーパーバトル」をやってるのだ。だが、川島聖隆が特進かけて追加配分だって言うから、応援がてらに奈良へ行くことにした。
別に川島の応援に行くだけなら最終レースに間に合えばいいのだが、そこが競輪好きの悲しい性。きっちり1Rから参戦していた。
2R
山下 竜児(愛知81)の番手を川上 貴正(鹿児63)が取りきって車番3−9。安いが本線でGET。「よおし、これ車番より枠のほうが高いんや」
「え、そうなん?」
「車番やと430円やけど枠番やと650円ツイとったんや」
そう、わたしもそれに気づいてちゃんと枠で買ってある。ここの競輪場は締め切りまでオッズを映している。発売締め切りでオッズが消える瞬間までモニターを見ていて、枠の方が200円ほど高いのを確認してある。
「第2レースの払戻金をお知らせします。
枠番3−6 420円。車番3−9 490円」
奈良競輪場のオッズモニターは
うそつきだ。
そもそも、ここの競輪場は
テラ銭が高い。今年1年間の自分の車券成績を調べてみると、びわこ 回収率 132.8%
小松島 127.1%
西 宮 122.1%
〜
甲子園 70.4%
福 井 65.5%
きっと、ここの競輪場は
8割5分もテラ銭を取っているに違いない。
結局今日も、当たったのはオッズモニターに裏切られた2Rのみ。持ってきた福沢諭吉が全員夏目漱石に変わったところで最終レースを迎えた。
12月23日奈良普通開催初日 電投53#
10R A級特選
発走16:10今日は浮いていれば、いや、せめてトントンくらいで凌いでいたら、このレースは「スポーツ観戦」するつもりだったのだが、こうなったら取り返しにいくしかない。川島が負ける目は買う気になれないが
9−1では負けは取り返せない。"川島はスジで来ることが多い"ことを承知でヒモ穴狙いに走った。
最終ホーム7番手に置かれた川島だが、それでも力で捲っていく。だが、今日は宮越が上手く駆けた。
1着4宮越 大 2着9川島 聖隆
車番4−9 11190円
特進の夢も、わたしの車券も8分の1輪届かなかった。ここの競輪場は
ゴール線の位置も悪いぞ。
奈良の記念は2月上旬だが、たぶん行かない。
21日土曜日朝、新幹線の小倉駅を降り立った。小倉の街はこれが初めてだった。地図を頼りに競輪場へ向かう。
駅を出てしばらく歩くと、すぐにドームの大きな屋根が見えた。あれに向かっていけばいいと歩いたら、これが結構遠い。ドームが大きくて距離感を狂わせたのだ。結局20分近く歩かされたのだろうか。
そこは、今までの「競輪場」とは別世界だった。
確かにきれいだ。びわこですら迷わず特観に入るわたしでさえ、一般席でも快適に過ごせる。場内にはゴミひとつ落ちてない。競輪客も、きれいなハコの中に入れられると、ハズレ車券をちゃんとゴミ箱に捨てるようになるから不思議だ。「ドーム内禁煙」等のプラカードを持ったお姉ちゃん達が場内をうろうろしているが、それらの注意書きもほぼ守られている。
なんだか、私が知ってる「競輪場」とは雰囲気が違う。
"50場制覇"されてるような方から見れば、わたしなんか
たったの13場だから偉そうなことは言えないけど、なんだかここは静かなのだ。ドームだからファンファーレもヤジも歓声も全部反響して聞こえるのだけど、なんだか静かなのだ。そういえば九州にいるはずなのに"九州なまり"は一言も聞こえてこない。なんだか雰囲気に飲まれてしまって、買う車券までいつもと違う。「澤田が逃げて水島が差すところを本田晴美が捲り追い込み」なんて普段なら絶対買ってる車券を持ってない。
川島聖隆の頭で連複5430円を持ってなかったのも痛かった。結局「勝ったら小倉に宿泊」のつもりが、即日お帰り。"負け戦"は地元場外での参戦となってしまった。
11月23日 小倉競輪祭4日目 岸和田場外
6R S級二次予選
地乗り ←835 624 179
手嶋の先行を中団から捲った金古が落車。鈴木と松本が巻き添え。ゴールは9會田−2後閑−8伊藤保文の順。
「あちゃああ、伊藤保文で勝負やったんやけどなあ」
「會田もラインで落ちとけよ〜 2−8 8−2やったら持ってんのに〜」
「わいもや〜、枠やったら当たってんのに」
「しもたあっ! 枠でも6850円ツイてるがな。車番の8−2と変わらへんやんけ」
そこには「競輪場らしい雰囲気」があった。小倉までの交通費は片道分だけ取り返すことができた。