12 レンズのひみつ
眼鏡は、視力を矯正する為のレンズと、それを支えるフレーム(枠)から
出来ています。
フレームはそのファッション性や、掛け心地で高価なフレームと安価な
フレームの違いが案外わかり易いものです。
一方 肝心のレンズは、その違いについてあまり知られていません。
現在では、高価なレンズも、安価なレンズも、精度(品質)と云う面では
それほど大きな差がありません。
しかし、レンズの持つ特性(性能)には大きな違いがあります。
その違いとは
1 レンズ素材の屈折率の違い。
見た目は同じプラスチックレンズでもその材質により
種類 1.50 1.60 1.67 1.74 など があります。
(数値の大きい方が薄く出来る)
材質の屈折率が大きくなる程 レンズを薄く作る事ができます。
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屈折率 1.50 |
屈折率 1.67 |
2 レンズ素材の比重の違い。
種類 1.17 1.22 1.32 1.46 2.54 など
(数値の小さい方が軽くなる)
度数によっては、レンズの厚みが薄くなったのに、重くなったと云う場合
も起こり得ます。
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比重 1.46 | 比重 1.22 |
3 アッべ数(色収差)の違い。
種類 32 40 58 など
(数値の大きい方がよい)
アッべ数が小さいほど色のにじみ (色収差) が大きくなります。
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光の波長(色)の違いで屈折力が異なります 色収差 |
4 レンズのカーブ設計の違い。
種類 球面 非球面 内面 TC 外面TC など
(非球面の方がよい)
レンズは、前面と後面、 二つのカーブを持った透明体です。
この二つのカーブの組み合わせ方により自然な見え方にしたり
またレンズの周辺部のひずみをより少なくする事が出来ます。
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球面レンズ | 非球面レンズ |
特に非球面設計は光学特性だけでなく、レンズの厚みを薄くする
効果もあります。
5 マルチコート加工など表面処理の違い。
種類 92% 97% 99% など
(数値の大きい方がよい)
レンズの表面にコーテイングすることにより光の透過率を上げます。
またレンズからの光の反射を少なくします。
(写真に写った時メガネが真っ黒く写った経験ありませんか?)
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透過率 92% | 透過率 99% |
6 ハードコート加工
種類 なし あり
プラスチックレンズの表面を硬く保護し、キズがつきにくくします。
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ハードコート なし | ハードコート あり |
7 UV400加工
種類 なし あり
400nm以下の紫外線(UV−A)をカットします。
UV400加工なしでも紫外線(UV−B) はカットされます。
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UV400加工 なし | UV400加工 あり |
8 汚れ防止コート(FCコート)、 耐衝撃加工(GHコート)、などさまざま
な加工があります。
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レンズ表面処理加工 断面図 |
9 染色加工
種類 サングラス ファショングラス など
プラスチックレンズはお好みの色に染色が出来ます。
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より、オシャレなメガネに |
10 その他
レンズの透明度 耐熱性 粘性 などが要求されます。
以上のように
多種多様なレンズが用意されています。
しかし残念ながら、長所ばかりのレンズはありません。
例えば
一番屈折率が高く 、一番比重が軽く、 一番アッべ数が大きい
レンズはありません。
ですから
あなたにとって一番適したレンズ選びが大切だと思います。